京都大学 防災研究所 水資源環境研究センター 社会・生態環境研究領域

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メンバー

第3回排砂バイパストンネル国際会議

第3回排砂バイパストンネル国際ワークショップを台湾で開催

無事開催されました。報告書

参加者:250人以上(参加国12)、論文数(口頭発表48、ポスター発表26)

次回(第4回)ワークショップ開催予定:2021年6月か8月、ノルウェー、トロンハイム市、NTNU大

 


 


 


 


 

日程:2019年4月9日~12日

場所:台湾 台北 College of Social Sciences, National Taiwan University

アブストラクト受付締切:2018年12月15日 大会ホームページ

ワークショップ開催概要:

世界でダム貯水池の堆砂が急激に進行しており、洪水調節、水道用水や農業用水、水力発電などの機能に障害が出る場合が増加しています。一方で、ダム下流に土砂が流れないことで、河床低下や海岸浸食が進行したり、河川環境が大きく劣化(河床材料の粗粒化や植生の異常繁茂)したりする場合が発生しています。ダムの延命化を図るためには、土砂流入を抑制するとともに、堆積土砂の排除方策(排砂技術)の確立が急務であり、ダムで遮断された土砂を掘削して単に山に捨てるのではなく、下流河川に供給(土砂還元)することは、今後の重要な環境対策(河川の自然再生)にもつながることが期待されます。

ダムの堆砂対策には、貯水池の堆積土砂を掘削・浚渫する方法がこれまで行われてきましたが、土砂が大量になると経済性が劣り、また、それだけの土砂を陸上輸送することは困難です。こうした課題を解決する手がかりとして、日本とスイスが世界をリードする排砂バイパストンネルがあります。これは、貯水池に並行してトンネルを建設し、洪水時に上流から貯水池へ流入する土砂を、トンネルで迂回させてダム下流へ直接輸送するもので、堆砂を減らし、同時に下流河道の河床低下や海岸浸食の緩和を通して下流生態系の保全にも貢献しうる技術です。

日本では約100年前から採用例(神戸の布引ダム)があるものの、世界でもまだ10数例しかなく、計画・設計・建設・管理手法のみならず、環境影響や経済性評価など未解明の課題が多くあります。これまで、この技術を世界的にリードするスイスとともに国際共同研究を立ち上げ(科研費26257304(H26-28)代表:角 哲也)、その成果を広く議論するために国際会議を共同開催してきました(第1回:2015年スイス・チューリッヒ、第2回:2017年京都)。

今回、日本の自然条件に近い台湾において第3回の国際ワークショップを開催(主催:国立台湾大学(台北))します。台湾では、度重なる台風の襲来に加えて、1999年の集集地震による山腹崩壊で土砂生産が増加し、ダムの堆砂が進行しています。こうした流入土砂を効果的に迂回させるために、現在、石門ダム、曽文ダム、南化ダムの3ダムでバイパストンネルの建設が進められています。会議では、1)上流域の課題(水文・土砂生産)、2)トンネル・貯水池(水理・流砂、計画・設計、トンネル・流入部・放流部、インバートの摩耗)、3)下流域の課題(河床地形変化、生態系変化)、4)その他の課題(施工、維持管理、モニタリング、オペレーション)の各テーマで最新の知見の共有を行います。会議 後は、3ダムの現地見学も予定されています。

ダム貯水池の堆砂問題に関する資料

 

 

 

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