流木の統合的管理とリスクマネジメント
日時 平成31年4月19日(金)13:30~ 場所 京都大学宇治キャンパス連携研究棟3F 主催 京都大学防災研究所水資源環境研究センター 参加費なし(会場定員100名) 意見交換会 宇治生協会館(会費:4,000円)
参加申込:本セミナー事務局 (sympo2019 @ ecohyd.dpri.kyoto-u.ac.jp) ①氏名と所属 ②連絡先 ③意見交換会参加の有無 |
開催趣旨
流木による災害については、これまでにも種々の対策がとられてきたが、近年、局地的な豪雨により増加傾向にある。平成29年7月に発生した九州北部豪雨でも、これまでの災害を上回る規模で洪水・土砂・流木の流出が発生し、赤谷川などでは集落に土砂や流木が押し寄せて大災害になり、複数のため池で余水吐きが流木で閉塞し決壊の引き金になり、佐田川上流の水資源機構寺内ダムには10,000m3もの流木が流入して湖面を埋め尽くした。一方で、寺内ダムで流木が捕捉されたことが下流被害の軽減に大きく貢献した。 ところで、そのような流木がどこから発生したかに関する調査事例は極めて限られており、近年、大規模洪水に伴う河岸侵食と流木発生の関係が懸念されている。また、流木が貯水池でどのように捕捉されるのか、最大限どのくらいの流木流入量を想定する必要があるかについては十分な知見が得られていないのが現状である。 長野県裾花ダムでは、ダムの常用洪水吐が洪水調節放流中に閉塞し、その原因として「堆砂進行」と「流木(沈木)流出」の複合的影響が指摘されている。今後は、堆砂のより一層の進行と、ダム湖底における沈木の存在の両者を加味すれば、このような事例は氷山の一角に過ぎず、今後はより一層の危機意識の醸成が必要である。 これまで流木に関する研究は数多く実施されてきているが、砂防域における(スリットダムなどによる)捕捉や、下流河道における橋梁の閉塞の問題などを扱ったものが多い。ダムやため池への流木流入量の予測や捕捉のメカニズム、安全管理(洪水調節操作)上の課題、さらには、捕捉されたことによる下流河道の洪水リスクの低減効果の評価(洪水・土砂・流木の複合的作用)などについては、これまで十分な研究が行われてきていない。 このような背景のもと、水資源環境研究センターでは、平成26年度に「水系一貫の総合流木管理の体系化」を目指した拠点研究を実施した。そこでは、「水系一貫の土砂管理」との対比をベースに、流木の流出、災害、生態機能、ダム管理、河道管理の各課題を整理し、学際的な研究ネットワークを形成することを目的とし、平成26年10月3日に、京都大学防災研究所内外の研究者の参加のもとでセミナーを開催し、研究ネットワーク形成を行った。本セミナーは、九州北部豪雨災害を踏まえて、さらに本研究課題を深化・発展させることを目的とし、1)流木管理のリスクマネジメント、2)流木の発生源対策、3)流木管理に関する技術的課題、の3部構成で実施する。 |
流木による災害については、これまでにも種々の対策がとられてきたが、近年、局地的な豪雨により増加傾向にある。平成29年7月に発生した九州北部豪雨でも、これまでの災害を上回る規模で洪水・土砂・流木の流出が発生し、赤谷川などでは集落に土砂や流木が押し寄せて大災害になり、複数のため池で余水吐きが流木で閉塞し決壊の引き金になり、佐田川上流の水資源機構寺内ダムには10,000m3もの流木が流入して湖面を埋め尽くした。一方で、寺内ダムで流木が捕捉されたことが下流被害の軽減に大きく貢献した。
ところで、そのような流木がどこから発生したかに関する調査事例は極めて限られており、近年、大規模洪水に伴う河岸侵食と流木発生の関係が懸念されている。また、流木が貯水池でどのように捕捉されるのか、最大限どのくらいの流木流入量を想定する必要があるかについては十分な知見が得られていないのが現状である。
長野県裾花ダムでは、ダムの常用洪水吐が洪水調節放流中に閉塞し、その原因として「堆砂進行」と「流木(沈木)流出」の複合的影響が指摘されている。今後は、堆砂のより一層の進行と、ダム湖底における沈木の存在の両者を加味すれば、このような事例は氷山の一角に過ぎず、今後はより一層の危機意識の醸成が必要である。
これまで流木に関する研究は数多く実施されてきているが、砂防域における(スリットダムなどによる)捕捉や、下流河道における橋梁の閉塞の問題などを扱ったものが多い。ダムやため池への流木流入量の予測や捕捉のメカニズム、安全管理(洪水調節操作)上の課題、さらには、捕捉されたことによる下流河道の洪水リスクの低減効果の評価(洪水・土砂・流木の複合的作用)などについては、これまで十分な研究が行われてきていない。
このような背景のもと、水資源環境研究センターでは、平成26年度に「水系一貫の総合流木管理の体系化」を目指した拠点研究を実施した。そこでは、「水系一貫の土砂管理」との対比をベースに、流木の流出、災害、生態機能、ダム管理、河道管理の各課題を整理し、学際的な研究ネットワークを形成することを目的とし、平成26年10月3日に、京都大学防災研究所内外の研究者の参加のもとでセミナーを開催し、研究ネットワーク形成を行った。本セミナーは、九州北部豪雨災害を踏まえて、さらに本研究課題を深化・発展させることを目的とし、1)流木管理のリスクマネジメント、2)流木の発生源対策、3)流木管理に関する技術的課題、の3部構成で実施する。
プログラム
13:30-13:35 | 開会:趣旨説明 |
角 哲也 京都大学防災研究所水資源環境研究センター教授 |
1) 流木管理のリスクマネジメント |
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15:05-15:20 質疑 15:20-15:30 休憩 |
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2) 流木の生産源対策 | ||||||||||||||||
16:40-16:55 質疑 16:55-17:05 休憩 |
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3) 流木管理に関する技術的課題 | ||||||||||||||||
18:05-18:25 質疑および総合討議 18:25-18:30 閉会挨拶 18:45- 意見交換会 (宇治生協会館) |